踵骨炎とは
踵骨炎は、踵骨やその周囲の組織に炎症が起きる疾患です。
この炎症は、足底腱膜炎やアキレス腱周囲炎など、足の酷使が原因で発生することがあります。
踵骨炎の症状は、原因となる疾患によって異なり、痛みの場所や程度も軽度から重度までさまざまです。
踵骨炎の症状
踵骨炎は、踵骨(かかとの骨)やその周囲の組織に炎症が生じる状態で、主に以下のような症状があります。
✓立ったり歩いたりするとかかとが痛む
✓かかとを押したり触ったりすると痛みがある
✓寝起きにかかと周辺にこわばり感を感じる
✓かかと周辺が腫れたり熱を持ったりする
踵骨炎は一般的に、アキレス腱周囲炎や足底腱膜炎などの疾患が原因で発症します。
これらの疾患はいずれも痛みや不快感を引き起こし、歩行や運動に悪影響を与えることがあります。
踵骨炎の原因と病態
踵骨炎は、原因となる疾患によって痛みの場所や程度が異なり、軽度から重度までさまざまです。思い当たるきっかけがなく突然かかとの痛みを感じることもあれば、時間が経つにつれて徐々に痛みが強くなる場合もあります。以下は踵骨炎の原因となる主な疾患です。
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踵骨炎の原因となる疾患
✓足底筋膜炎
足底筋膜炎は、かかとの痛みの最も一般的な原因です。足の裏に沿って走る足底筋膜が伸びたり傷ついたりして炎症を起こします。運動や仕事で長時間歩いたり走ったりする人は、この症状を発症しやすいです。足底筋膜炎によって、かかとの底や足の裏、土踏まずに痛みが生じます。
✓アキレス腱炎
アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐ腱組織です。ランナーやバスケットボール選手はアキレス腱炎になりやすい傾向があります。アキレス腱の過度な使用により腱が炎症を起こし、かかとの後ろに痛みや腫れが生じます。
✓滑液包炎
滑液包炎は、滑液包と呼ばれる液体で満たされた袋が腫れることで発生します。滑液包は関節のクッションの役割を果たし、関節のスムーズな動きを助けます。長時間の立位や歩行が原因で、かかとの後ろに痛みが生じます。
✓シーバー病(踵骨骨端炎)
シーバー病は、8歳から14歳のスポーツを行う子供に多く見られます。スポーツ活動などで足を酷使することにより、かかとの後ろにある成長板という組織が炎症を起こします。走ったりジャンプしたりする動作を頻繁に行う子供に多く見られます。
✓踵骨の疲労骨折
踵骨の疲労骨折は、かかとの底や側面、後面に痛みを引き起こす可能性があります。
✓骨棘の形成
慢性的な足底筋膜炎により、踵骨に過度な骨の増殖が起こり、骨棘(こつきょく)が形成されることがあります。骨棘が形成されても必ずしも痛みを伴うわけではありませんが、強い痛みを感じることもあります。
- 踵骨炎のリスク要因
以下のような要因が、踵骨炎を発症しやすくすることがあります。
✓仕事や日常生活で歩く時間が長い
✓スポーツ活動で走ったりジャンプしたりする
✓太りすぎまたは肥満である
✓へんぺい足やハイアーチなど足の変形がある
✓自分の足に合わないサイズの靴を履く
足に大きな圧力や負担をかける要因はすべて、上記の疾患やかかとの痛みの原因になります。また、歩き方や足の形も痛みの要因となることがあります。
踵骨炎への施術
踵骨炎はかかとの炎症であり、早急に炎症を抑えることが重要です。
もし、急にかかとに痛みが生じたり、かかと周辺に腫れや熱感がある場合は、過度な運動を避けて安静にすることが必要です。
また、痛みが強くて不安な場合は、まず整形外科などで診察を受けることをおすすめします。
過去に踵骨炎や関連する疾患の診断を受けた方、または慢性的にかかとに痛みがある方は、ぜひ当院にご相談ください。
踵骨炎は原因となる疾患によって施術方法が異なりますが、ほとんどの方に共通して見られるのは、踵骨(かかとの骨)を含む足首から足部にかけての骨配列のバランスの乱れです。
当院では、踵骨炎に対して足関節や距骨下関節などに施術を行い、足部の骨配列のバランスを改善します。
さらに、原因となる疾患に関連する筋肉や腱、その他の軟部組織にも施術を行い、患部に負担や痛みが生じづらい状態を作り出します。
さいごに
踵骨炎は痛みが続くと日常生活に大きな影響を与えることがあります。
無理をせず、適切なケアやリハビリを行うことが大切です。
痛みが強い場合や長期に渡って症状が改善しない場合は、ぜひ当院へご相談ください。
痛みの軽減と快適な生活を取り戻せるよう、ご協力をさせていただきます。