一般的に肉離れというと、アイシングや湿布などで痛みを抑え、安静にしていれば治ると思われている方が多いのではないでしょうか。
痛みだけで言えば、改善するかもしれません。
ですが、損傷した筋肉の状態や肉離れに至った原因(誤った姿勢や動作など)を改善していかないと、再発のリスクや不安を抱えながらこの先生活していくことになるかもしれません。
今回は肉離れについてと当院での施術についてまとめました。
肉離れとは
肉離れとは、筋肉に瞬時に力が加わった時に起こる、筋肉の損傷のことをいいます。
筋肉が過剰に引き伸ばされた時に、筋肉の一部または完全に切れてしまうことがあります。
好発部位としては、以下の筋肉があります。
・ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)
・大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)
・腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)
・股関節内転筋群(太ももの内側の筋肉)
肉離れの症状
損傷した筋肉に以下の痛みが生じます。
・ストレッチした時の伸張時痛
・力を入れた時の収縮時痛
・患部の圧痛
また、重度の場合は内出血や陥凹、膨隆がみられる場合もあります。
肉離れの原因
肉離れの原因として、以下のものが挙げられます。
・柔軟性の低下
・筋肉の滑走不全
・ウォーミングアップの欠如
・筋疲労
・筋損傷の既往
・筋力のアンバランスなど
スポーツ中に受傷することが多く、ダッシュや切り返しなど自らの動作中に発生するものがほとんどであるとされています。
当院の考え方
当院では肉離れに対して、段階に合わせた施術を行なっています。
急性期(受傷後〜3日)の段階や炎症(腫れ、熱っぽい、痛み)が強い、内出血がある段階
受傷直後は重症度に関わらず、RICE処置を行います。
・Rest(安静)
・Ice(冷却)
・Compression(圧迫)
・Elevation(挙上)
その中でも、compression(圧迫)がとても大事になります。
この圧迫で、損傷した筋肉の止血をしっかりしているかしていないかで、その後の回復に大きく影響を与えます。
炎症が改善してきた段階
炎症が治ったら、以下の順を追って、段階的に機能の改善を図っていきます。
- 血流改善のための内臓、血管への施術
- 損傷した筋肉のコンディションの改善
- 体幹、骨盤帯の筋機能改善
- 競技復帰に向けたダイナミックアライメントの改善
◎血流改善のための内臓、血管への施術
損傷した筋肉組織が回復するには血流が重要になります。
内臓や血管のゆがみや硬さがあると血流が阻害されます。
そのため、内臓や血管への専門的な施術で血流を改善し、組織の回復を促します。
◎損傷した筋肉のコンディションの改善
損傷した筋肉には硬結が生じたり、滑走性が低下したりします。
筋肉は正しく伸び縮みする状態が理想です。
損傷した筋肉のコンディションの改善が不十分だと、本来の力が発揮できず、再発のリスクや他の場所への負担の増加につながります。
そのため、損傷した筋肉に対して専門的な施術を行うことで、筋肉のコンディションを改善していきます。
◎体幹、骨盤帯の筋機能改善
身体の土台となる、体幹や骨盤帯の筋機能が低下している状態だと、誤った姿勢や動作となり、損傷した筋肉への負担が増加します。
損傷した筋肉の状態が改善してきたら、体幹や骨盤帯の筋機能の改善も図ります。
◎競技復帰に向けたダイナミックアライメントの改善
重症度分類では、ハムストリングスの肉離れは競技復帰までにⅠ度は1〜2週間、Ⅱ度(筋腱移行部損傷)は3〜8週間、Ⅲ度(断裂)は数ヶ月以上要すると報告されています。
当院は、重症度に沿って、上記の期間が過ぎれば復帰という考え方ではなく、パフォーマンスが復帰基準をクリアしているかで判断していきます。
復帰基準は共通の項目と各競技に合わせた動作を評価して、基準をクリアできるようにプログラムを組み、復帰までサポートしていきます。
最後に
いかがだったでしょうか?
肉離れは安静にしているだけでは、望んだ回復は望めないかもしれません。
どこに行っても治らなかった、肉離れを繰り返している、スポーツで満足いくプレーができずにお困りの方は当院へご相談ください。