身体の痛みや不調を起こさない身体にしていくためには身体に必要な栄養素を摂っていくことがとても重要です。
その中でも《水》は身体にとても重要な成分です。
皆様は普段《水》を飲む習慣はありますか?
当院で良く聞くのは、
「トイレが近くなるからあまり飲んでいない」
「水よりお茶やコーヒー、ジュースなら飲む」
「仕事や家事をしているといつの間にか飲んでいない気がする」
と仰られる方々が多いように感じます。
ここでは水の重要性を理解し、普段の生活の中で水を摂る機会を持って頂けると嬉しいです。
身体の中に水はどれくらいあるのか?
成人で約55~60%でできています。
新生児では約80%程度が水です。
例えば60kgの成人の方であれば、その36kgが水という計算になります。
また、部位によってその水分量も変わってきます。
①筋肉…75~80%
②内臓…70~80%
・心臓:80%
・肝臓:70%
・腸:75%
・腎臓:80%
③脳…75%
④皮膚…70%
このように筋肉や内臓組織は70~80%が水でできています。
水分が失われてしまったり、身体の中に古い水がたくさんあると筋肉や内臓の機能が低下してしまうということが想像できるのではないでしょうか?
水は身体の中でどんな役割をしているの?
口から摂取した水は腸で吸収されて、血液などの「体液」となって身体の中を循環していきます。
体液は身体に必要な酸素や栄養を各臓器に届けたり、不要となった老廃物を尿として排出する役割があります。食事で摂った栄養素は水に溶けることで身体の中を巡って細胞に届けられます。
また、体温を一定に保つ働きもあります。体温が上昇したら汗を出すことで熱を逃し、体温を下げる働きがあります。
このように水には重要な役割があります。水が不足してしまうと、身体に必要な栄養素が運ばれず、老廃物も身体の中に溜まり、体温の調整もできなくなってしまうのです。
水を飲むとどう健康に良いの?
水を飲むことによって身体にとってメリットがたくさんあります。
血液をサラサラにすることができる
水分を摂取することで血液の粘性を下げることができます。
簡単に言うと血液をサラサラにすることができます。
水分が失われてくると、血液がドロドロしてしまい、身体に必要な酸素や栄養素をうまく細胞に届けることができなくなってしまいます。そのため、筋機能低下・脳機能低下・内臓機能低下など身体がうまく働かなくなってしまいます。
また、血液がドロドロしてしまうことで脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高くなってしまうこともあるので注意が必要です。
肌の状態を健康に保つことができる
肌の細胞も多くは水分でできています。水をしっかり摂取することで肌の潤いを保つことができます。また、水を摂取することで身体の毒素や老廃物を排出し、新しい栄養素を細胞に届けることができるので肌の新陳代謝を保つことができます。
痩せやすい身体になる
水をしっかり飲むことで痩せやすい身体を作ることができます。
水を摂ることにより筋肉の働きや内臓の働きが良くなり基礎代謝が上がるため、身体の脂肪が燃えやすい身体になっていきます。
水を飲まないとどうなるの?
水が不足してしまうと身体にとって様々な悪影響をもたらします。
1%の水分喪失…口渇
2%の水分喪失…めまい,吐き気,食欲減退
10%の水分喪失…失神,痙攣
20%の水分喪失…生命の危機
人間は水を全く摂取しないと4,5日で命の危険があると言われています。
一方、全く食べ物を摂らなくても、水さえ飲んでいれば1ヶ月は生き延びることができると言われています。
人間にとって水は非常に重要な栄養素と言えます。
水と腎臓と尿について
飲んだ水は血液になり、身体の全ての血液は《腎臓》を通ることで濾過されて綺麗な状態になり、また身体を巡っていきます。身体中から集まってきた老廃物を腎臓で集めて排出しているのです。
同時に、再利用できる水は再吸収し、残った不要な水分と老廃物を合わせて尿として身体の外に排出します。
成人で健康な人であれば1日に約1.2リットル程度は尿として排出されていきます。少なくとも500mlの尿排出がなければ身体に溜まった老廃物を出すことができないと言われています。
水をしっかり飲んで、常に綺麗な水を身体に与え、不要な老廃物をどんどん流していくことが大切です。
1日にどれくらいの水を飲めば良いの?
「1日にどれくらいの水を飲めな良いの?」と言う疑問を持たれた方も多いかと思います。
結論からお伝えすると1.5L~2L程度の水を飲むことがオススメです。
欧米で行われた研究によると、一般的な生活をされている成人は2.5L程度、活動レベルが高い成人 (スポーツ選手や仕事が多忙な方など)は3.5L程度必要とされています。
ちょっと待って!
1.5L~2Lでは足りないのでは?
と思われた方もいるかも知れません。
この数字は食事での水分摂取も含んでいます。
日本の方であれば食事で食べ物から500ml~1L程度の水分を取ることができるため、水を飲むのは1.5L~2L程度で良いと考えられます。
お茶やコーヒーやジュースではダメなの?
良く「水は味がないからお茶とかコーヒーとかジュースではダメなの?」と聞かれることがあります。
結論から言うとオススメできません。
と言うのも、お茶やコーヒーやジュースにはカフェインや糖質、添加物などが多く含まれてしまっているためです。
1.5L~2Lの水分をお茶やコーヒーやジュースで摂ってしまうと同時に身体の中には過剰なカフェインや糖質、添加物などが入ってきてしまってかえって良くないです。
ただし、カフェインや糖質の入っていないハーブティーなどは大丈夫です。
水分摂取は綺麗な水で行うのがオススメです。
上手な水の飲み方
いきなりそんな2Lも水を飲むのは大変だと思われる方もいるかも知れません。
でも大丈夫です。
2Lという水は実はそれほど多くありません。
「2L」というと大きな2Lペットボトルを想像される方が多いかも知れません。
それを一気に飲めというのはなかなか大変なことです。
しかし、「コップ2/3くらいの水を8回」としたらどうでしょうか?
コップに2/3程度の水であれば割と誰でも飲める量です。
それを1日の間に分けて飲むと良いです。
また、水道水は塩素などが含まれているので浄水器を通したお水かミネラルウォーターがオススメです。