股関節が“左だけ痛い”のはなぜ？まず知っておきたい主な原因

「歩いていると左の股関節だけ違和感がある」「座っていると左側だけつっぱる感じがする」——こんな状態になると、日常のちょっとした動作にも不安が出てくると思います。実際、股関節の痛みは左右どちらかに偏るケースも多いです。その背景には、利き足の使い方や姿勢のクセ、普段の体重のかけ方など、日ごろの習慣が大きく関係しているとも考えられています。

左右差が出やすい背景

当院でも「左だけ痛い」という相談はよくあります。左側に重心を乗せやすい人、カバンを同じ側で持つ習慣がある人、座るときに決まって片側だけへ体を傾ける人などは、股関節周りの筋膜や筋肉に微妙な負担が蓄積しやすいです。特に、体のバランスを支える中殿筋がうまく働かないと、左側だけに張り感が出たり、動きづらく感じたりすることがあります。

代表的な原因

股関節の痛みはさまざまな要因が複合的に関わります。例えば、筋膜のこわばりが強くなると動きの滑らかさが低下して、歩き始めにズキッとしたり、立ち上がる瞬間につっぱるような感覚が出ることがあります。また、股関節周りの組織が刺激を受けやすい状態になると「股関節周囲炎」と呼ばれる状態になるケースもあります。さらに、股関節がかみ合う角度に特徴があるタイプでは、FAI（インピンジメント）と呼ばれる状態が起きやすく、前側のつまるような感覚と関連します。

内科・婦人科疾患との鑑別も大切

股関節そのものだけではなく、内科・婦人科領域の不調が関連して左側に違和感が出る場合もあります。ただし、当院では医療的な診断行為は行いませんので、強い痛み・発熱・下腹部の違和感などが続くときは、医療機関での検査が必要な可能性がありますとお伝えしています。

当院の視点：姿勢・可動域・体の連動性までチェック

当院では、股関節だけに注目するのではなく、背骨・骨盤・肋骨・足の向きなど、体全体の連動を丁寧に確認することを大切にしています。たとえば、骨盤がわずかに傾いているだけでも片側だけに負担がかかり続け、結果として左側の股関節が痛みを感じやすくなることもあります。施術では、筋膜の滑りを整える手技や股関節まわりの可動性を引き出すアプローチを行い、必要に応じて日常のセルフケア（お尻まわりの軽いストレッチ・立ち姿勢の調整など）もお伝えしています。

「歩くと痛い」「立つと痛い」「座ると痛い」など、動作別に分かるチェックポイント

股関節が左だけ痛いとき、「どんな動きで痛むか」を細かく見ることで、原因の方向性がつかみやすくなります。実際、当院でも来院された方と一緒に動きを確認しながら、負担がかかっているポイントを探っていきます。「なんでこの動きだけ痛むんだろう？」と感じている人ほど、ここがヒントになるケースが多いです。

痛む動作でわかる“原因の傾向”

例えば、お客様から
「歩くと外側が痛いんです」
と相談されることがあります。

歩行中に股関節の外側がズキッとする場合、中殿筋などのお尻まわりの筋肉がうまく働きにくい状態になっているかもしれません。一方で、

「股関節の前がつまる感じがする」
という悩みでは、FAI（インピンジメント）と呼ばれるタイプの動きのクセが関連している可能性があります。

また、

• 立ち上がりで股関節前がピンと張る
• 階段で足を上げるときに違和感が出る
• 長く座ると左側だけ固まったように感じる

こうした反応も、それぞれ違った負担パターンが存在すると考えられています。

行動パターンにもヒントが隠れている

「動きには問題なさそうだけど、朝だけ痛いんです」
と話す方もいます。

朝にこわばりが強い場合、股関節まわりの筋膜や筋肉が夜の間に縮こまり、動き出しで負担を感じやすくなっている可能性が考えられます。

また、

• 片側だけで荷物を持つ
• 足を組むとき同じ側ばかり組む
• 立つときに左へ体重をかけやすい

こういった習慣も、無意識のうちに左右差をつくり、痛みにつながりやすいと状態となります。

当院でも、立ち姿勢や座り方のクセを一緒に確認していくと「あ、これかも…」と心当たりが出ることが多いです。

自宅でできる安全なセルフチェック

「病院に行くほどじゃないけど、少し様子をみたい」
という方に向けて、当院では以下の“やさしいセルフチェック”を案内することがあります（※痛みが強い場合は無理に行わない）。

1. 椅子に座り、片側ずつ膝を軽く抱えて股関節の動きを確認する
   　前側につまる感じが強いときは、股関節の前面への負担が考えられます。
2. 仰向けで両足を左右に倒す
   　倒しにくい側がある場合、股関節まわりの筋膜のこわばりが関係するケースがあります。
3. 立った状態で左右の重心を感じてみる
   　片方だけに乗りやすい人は、股関節の負担が偏りやすい傾向があります。

当院では、触診と動作確認を組み合わせながら、股関節だけでなく骨盤や肋骨の動きまで一緒にチェックするようにしています。

今すぐできるセルフケア：ストレッチ・姿勢調整・生活で避けたい動作

「左の股関節がつっぱる感じがする」「家の中を歩いているだけでも違和感が気になる」——そんな声をよく聞きます。股関節の負担は、意外と“毎日の動き方のクセ”に左右されることが多いです。ここでは、当院でもよく案内しているセルフケアを、わかりやすくまとめてみました。

股関節周囲の緊張をゆるめるストレッチ

「どんなストレッチならやっても大丈夫？」と聞かれることがあります。
その際、当院では股関節まわりの筋膜がゆるむような、負担の少ない動きをおすすめしています。

よくお伝えするのは以下の3つです。

• お尻（殿筋）の軽いストレッチ
  　椅子に座って脚を組む姿勢で、軽く前に倒れるだけでもお尻の外側がゆるみやすくなります。
• 太もも前（大腿四頭筋）のストレッチ
  　立った状態で足の甲を持ち、お尻の方へ軽く引く動きです。腰が反りすぎないように注意します。
• 内もものストレッチ
  　脚を軽く広げて体を前へ倒す動きです。筋肉の張りを感じるところで止め、無理に伸ばさないことがポイントです。

これらは比較的安全性が高いとされ、当院でもセルフケアとして紹介することがあります。

股関節に負担を増やすNG動作とは？

「普段の動きで気をつけることってありますか？」と聞かれることも多いですが、股関節の負担を増やしやすいクセはいくつか共通しています。

• 片足重心で立つ習慣
  　つい楽だからと片側に体重を乗せ続けると、左だけ痛みやすくなる人もいます。
• 反り腰で歩く・立つクセ
  　腰が前に押し出される姿勢は股関節の前側に負担がかかりやすくなります。
• 硬い床に長時間座る
  　お尻や股関節まわりの筋膜が固まりやすく、立ち上がりで痛みが出るケースもあります。

当院の施術でも、こうした姿勢や日常動作を丁寧に確認しながら改善の方向へ誘導することが多いです。

今日からできる生活習慣の改善ポイント

「結局、何を気をつければいいのかを知りたい」という声もよく聞きます。そこで、当院が実際に案内している“すぐできる3つの見直し”をご紹介します。

1. 立つときは左右均等を意識する
   　少しの意識づけでも、股関節の負担が分散されやすくなります。
2. 歩くときは歩幅を大きくしすぎない
   　痛みがあるときは無理に歩幅を広げると前側がつまるように感じることがあります。
3. 座った姿勢で骨盤を立てる練習をする
   　骨盤の向きが整うと股関節がスムーズに動きやすくなります。

当院の施術では、これらの習慣のチェックに加え、股関節まわりの動きを引き出す手技や、セルフケアの細かいコツもお伝えするようにしています。

整体でできること・できないこと

股関節が左だけ痛むとき、「整体でどこまでみてもらえるのか」を気にされる方は少なくありません。実際、当院でも同じ質問をいただくことがあるため、わかりやすく整理しながらお伝えしています。

整体で主にアプローチできる範囲

まず来院された方に「整体で何ができるの？」と尋ねられた際、当院では股関節だけに注目するのではなく、体の動き全体を確認するところから始めています。

• 可動域の改善
  　股関節まわりの筋膜のこわばりをゆるめ、動作のひっかかりを軽減しやすくします。
• 姿勢バランスの調整
  　骨盤の傾き・背骨の向き・肋骨の動きなどを総合的にみることで、片側だけに負担が偏らないようサポートしています。
• 筋膜の調整
  　当院の特徴でもある「ゆっくり圧を感じ取る手技」で、張りやすい部位の滑りを整えていく方法を用いることがあります。
• 日常の動作の修正
  　椅子の座り方・歩き方・重心位置など、痛みの引き金になりやすいクセを一緒に見つけていきます。

これらは、整体として取り組める範囲として広く知られている内容になります。

専門的な検査で見るポイント

当院が行うのは医療行為ではありませんが、「触ったときにどう動くか」「どこでつまるのか」「負担が集中している部位はどこか」などを細かく観察していきます。

お客様から
「これって医学的な診断とは違うんですか？」
と聞かれることがありますが、当院で行うのはあくまで動き・姿勢・筋膜の硬さを確認する検査であり、医療的な診断ではないとお伝えしています。

股関節の動き方は、骨盤・背骨・肋骨・足首とつながりが強いため、これらの連動性をみることが整体の重要なポイントだと考えています。

施術の目的は「痛み軽減・動作改善・再発予防」の3本柱

施術を行う際、当院では以下の3つを大切にしています。

1. 痛みを軽減させるための筋膜アプローチ
   　やさしい圧でゆるめ、体が動きやすい状態をつくることを目指しています。
2. 動作改善による負担分散
   　股関節だけで頑張らない体の使い方（体幹・お尻の協調など）を意識しながらサポートしています。
3. 再発予防のセルフケア提案
   　椅子の座り方・立ち上がり方・ストレッチ方法など、普段の動作に落とし込みやすい内容を取り入れています。

整体で対応できないケース

一方で、整体では対応が難しいケースもあります。例えば、

• 強い腫れ・熱感がある場合
• 外傷の疑いがある場合（転倒後の激痛など）
• 夜間も続く強い痛み
• 歩行が困難なほどの急激な変化

これらは医療機関での検査が必要な可能性があるため、当院でも無理に施術を行うことはありません。

受診が必要なサインと、痛みを繰り返さないための再発予防ガイド

股関節が左だけ痛むとき、「このまま様子を見ていいのか、それとも医療機関へ行くべきなのか」迷ってしまう方は多いです。当院でも来院された方から相談されることがあり、まずは安全面を確認しながらお話を進めていきます。ここでは、一般的に“早めに医療機関で検査を受けたほうがよいと言われているサイン”と、痛みを繰り返さないためのポイントをまとめています。

早めに医療機関へ相談したほうがよいサイン

次のような症状がある場合は一度医療機関で確認したほうがよいとお伝えしています。

• 夜間も痛みで目が覚める
• 急に強い痛みが出た（例：歩けないほどの激痛）
• 脚にしびれが出る
• 階段の昇り降りが極端に難しくなった
• 発熱や強い腫れ・熱感がある

当院では触診や動作確認は行いますが、医療的な診断はできないため、これらの症状がある場合は無理な施術は行わず、まず専門機関での検査をおすすめしています。

整形外科で行われる一般的な検査

整形外科に相談すると、状況に応じて以下のような検査が行われることがあります。

• X線（レントゲン）：骨の状態を確認
• MRI：軟部組織の変化を確認する際に使われることがある
• 超音波検査：筋・腱・関節の動きをみることがある

あくまで「こういった検査が行われることがあります」という説明にとどめ、医療行為の断定は避けています。

痛みを繰り返さないための生活習慣の見直し

医療機関で問題がなかった場合、日常の体の使い方が負担につながっていることも多いです。当院では次のようなポイントを案内しています。

• 歩き方
  　歩幅を広げすぎず、左右均等に体重が乗るよう意識する。
• 座り方
  　座面に深く座り、骨盤が後ろに倒れない範囲で背筋を軽く伸ばす。
• 荷物の持ち方
  　片側だけで持ち続けると負担が偏りやすいため、左右を交互にしたりリュックを使う工夫を提案したりしています。
• 軽い運動習慣
  　3〜5分のストレッチや、お尻・体幹を補う簡単なエクササイズを取り入れる。

当院でも、施術後にその人のクセに合わせた“具体的な動き方の提案”を行うようにしています。

中長期的に続けたいセルフケア

股関節の状態を安定させるためには、「姿勢」「筋力」「柔軟性」の3つをバランスよく整えることが大切になります。

• 姿勢：骨盤の角度が整うと動作全体が安定しやすいです
• 筋力：特にお尻（中殿筋）や体幹の筋肉は股関節の負担を減らすと考えられています
• 柔軟性：太もも前・裏・内ももの柔軟性があると、可動域に余裕が生まれやすくなります

急に全部やろうとすると続かないため、当院では「まず1つだけ続けるところから始めましょう」とお話しすることが多いです。